安部ビート資料  2016.10.29 更新 (春)

 安部健司 通称 安部ビートを検索すると、北田玲一郎の乞食学入門 (1968) に行き当たる。だが、松澤宥に興味を持ったほどの者なら、松沢宥の作品に時として彼が一種のなつかしさをもって語られることも知っているだろう。さらにψの宇宙 (1985) にその写真と5枚の葉書をとどめていることも。にもかかわらず、安部ビートとは何者か、その答えは容易にはみいだせない。彼の作品、略歴あるいは自伝的なエッセイ「悲願(1993)
などを読みとおすにも随分な努力を要するだろう。

  一方で松澤宥はこのようにも述べている。

For more than 33 years, my friend Abe Beat wandered about crazily, searching. He took his own life on November 17, 2001. One day he told me that he planned to take a leisurely trip to a Southern Island. I walked to the pass with him to see him off and he waved good bye to me. Six months later, he sent a letter, “I want to thank you for your picture and the book. idea I have gotten used to living in a cave and the villagers accept me as an artist who is here to care his neurosis. I enjoy myself sweeping up the village with a bamboo broom. But sometimes I cannot get rid of the tension and throbbing in my head” There was a picture of the cave where he lived on the remote island. “care of Yamakawa Tokumitsu Post Office” was what he wrote for the address. Abe Beat once stood in the Psi Room, wearing a black robe and raising his invisible beautiful eyes to an invisible sky. Beat Abe used to beg one of your desparing poems, dripping with blood and screaming angrily as existence just arrived at my cave.

  およそ40年にわたる交流の結果として、松澤資料には230点ほどの安部ビート関連資料が含まれている。 (春)

安部健司資料



 1.    詩集1959 (不完全)
 2.    詩12篇 ガリ板 1982.6.26
 3.    詩 マイルス・ディビスに捧げるイージメイドの巡礼 12pp 1983.4.22(岡山詩人会議 道標 28)近況あり
 4.    詩 夢 1985.3.1(心のひろば17号)
 5.    詩集 受難記 (林病院:1985年初夏、15部 私家版)
 6.    小詩集 ぼくの舞台裏 1989.6.12   (私家版 30部限定 2部:ワープロ印刷)
 7.    小詩集 詩人と女 1989.8.26  10編 (ワープロ印刷2部)
 8.    詩 面会日他4編 1989
 9.    詩 凍結他4編 1989
 10.    小詩集 河豚の歌 1990.4.16  10編 (ワープロ印刷2部)
 11.    詩 コンセプション 1-3, 1991.6.9-6.27
 12.    詩 牛窓キャンプ讃歌 1991.9  心の広場:林友の会
 13.    ゼロックス詩稿 7篇 1995.12 – 1996.1
 14.    詩集 黙示録の馬 わが魂 狂えるとも (ワープロ原稿)1996.3.13
 15.    教会 「主の祭壇にささげよ」 (ワープロ印刷11枚):あとがき 1997.1 末)
 16.    小詩集 ぼくの舞台裏 1999.5.26 (私家版15部)
 17.    手書きメモ: 詩タイトル44題 1999.5.26?
 18.    詩 漂流する街 1999.6.28
 19.    詩 死病 詩脈 81号, p.13 1999.8.24
 20.    詩 入牢 詩脈 82号,1999; p.19. 長岡 
 21.    詩 化身 (ぱる通信 38号(2000.5.1発行) 
 22.    詩 落石 (詩脈 83号 2000夏)
 23.    詩 盲目の夢 (ぱる通信 39号 2001発行)
 24.    詩 裸形 2000.7.1
 25.    詩 幽霊詩人のタクト 4pp.
 26.    終りし道の白き小さき花 精神病院壊滅論 (目次のみ:ワープロ印刷)


エッセイ


1.    「続」ひとり言の美学 (コピー 8pp.) 長岡 1990.10.15
2.    1週間 (コピー:1/17~1/22)  20pp.
3.    狂人日記 (コピー 13pp.)1991.3.18
4.    狂人日記 拝啓 松澤宥様(ワープロ印刷)
  荒野の中の驢馬のようになれ 1998年7月22日~8月6日 20枚
5. 病床にて 8月7日~10月17日 (ワープロ印刷)1998.12.1
6. 悲しき疑問符 (日記:8/31-10/17,18)14pp. 1999.6.28 長岡 
7. 一粒の麦 もし死なずんば(日記:8/20~30、一粒の麦)12pp.1999.6.28 長岡 
8. 悲願 1993.7.25 西大寺キリスト教会月報 心の成長123 (自伝的エッセイ)
9.  僕たちの椅子(私的妄想論序章)コピー原稿 5枚 1994.11.29  
10. 働らくということの提言 (岡山 こころの健康 1997  Vol.39:10)
(岡山病院:近況、詩集「教会からの私信」に入る)
11. 新らしき精神病院の彼方へ(精神看護 医学書院 Vol.2 No.4)1999.7.6 長岡
12. 哲学的ノート 1999.11.10  9 pp. (ワープロ原稿): 宥表書き:哲学的ノート
13. 分裂病を生きる
14. 日常生活の黙示録 その1 (オリジナル:5pp.)

ぼくの書
1. 呪書 ― 精神病院の恋; 1995? (ガリ版製本)


2. 呪書 改題 ゴッホさんの部屋 -精神病院の恋―
目次案 1996.12.16


3. 呪書: 宥封筒上書き (アベビート「呪書」から)
  1.    白髪が増える(コピー pp.56-57);2.院内ノート(コピー):聖女テレジアに関する ノート pp.81-84; M先生とぼくとの対話に関するノート pp.85-90; ぼくの書のための童話に関するノート pp.97-103; 略歴 pp.191-193
  2.    48. 松澤メモ: M先生とぼくとの対話に関するノート;「院内ノート」


4. ゴッホさんの部屋 目次コピー・全文220pp.

;「呪書」改題 ゴッホさんの部屋 -精神病院の恋 -
詩集「受難記」から
詩集「ぼくの舞台裏」から
詩集「詩人と女」から
詩集「河豚の歌」から
詩集「黙示録の馬」から - 我が魂 狂えるとも -
エッセイ 院内ノートから
小品集「晩鏡」
妻への言葉
或る発言
僕たちの椅子
断章 「狂った楽譜」
著者略歴
あとがき


5. ゴッホさんの部屋 「精神病院の恋」 目次および栄子への献辞(ワープロ原稿)

その他


1. 安部健司写真 7枚 プサイの部屋にて
2. 安部健司写真 4枚 林病院にて 1982.6.26
3.  安部健司画文 奄美へ行く前夜 1967.6.9
4. 画文集: (作業所にて)2月9日~8月5日
5.  安部健司 ノート:画用紙をとじたもの、表紙に線画:1967.6.9 プサイの部屋にて
6.  書簡・葉書など: 1967年3月から2000年10月にわたる178点 

関連資料


1. 総合芸術 25号 1966年6月 TAM-TAM Propaganda NO.1
      安部ビートを探せ(写真2葉) 北田玲一郎
2. 北田玲一郎「ビートロジー乞食学入門」の表紙コピー
3. 雑誌コピー?:孤独な放浪者たち、ビートの群(北田写真に同じ安部健司)
4. 林友の会資料 1982.6.26